44 名前: マジシャン(三重県) :2007/03/16(金) 12:36:10.96 ID:52zM0H9f0
保守代わりに

前世篇@


男と女は、とある村で蝋燭を作っては売り、それを生活の糧としていた。
貧乏ではあったが二人は幸せだった。

男「女さんできましたよ〜」
女「は〜い」
男「じゃあ僕は都のお店に蝋燭を届けてくるので待っていてください。」
女「・・・・」
男「おや?どうしたんですか?」
女「一緒に言っちゃダメ?」
男「いえ。それじゃあ二人で都に届けに出かけましょう。」
〜帰り〜
男「さすがに疲れましたね。でも、もうすぐ着きますよ。」
女「ね〜・・・抱っこして」
男「ふふ、しょうがない子猫さんですね〜」
女「にゃ〜」
とまぁこんな感じである。

駄文スマソ

45 名前: マジシャン(三重県) :2007/03/16(金) 12:36:50.54 ID:52zM0H9f0
前世篇A


しかしそんな二人の幸せも長くは続かなかった・・・


女「けほっけほっ」
男「どうしたんですか!?」

女は重い病気を患ってしまった。
男は蝋燭の売り上げを可能な限り女の薬代にした
しかし、薬の効果はまるでなかった
そしてとある大雪の日・・

男「弱ったな、このままじゃ都に蝋燭を届けることができない・・・でも」
女「けほっけほっ」
薬を買おうにもお金がない。お金を得るには蝋燭を売るしかない・・・蝋燭を売るには都へ行くしかない・・・都へ行くには大雪の中歩かなければならない

女「大丈夫だから・・今日は家にいて・・けほっけほっ!!」

女の病はいつもよりひどかった。そうこの日は特に・・・
その瞬間男の中から迷いが消えた
男「いえ。僕は都へ行きます。だから帰りを・・・待っていて下さい。」

大雪の中一人の男は飛び出していった。

必要以上の風と雪が男を襲う
寒い・・・冷たい・・・・
しかし男はくじけない・・愛する人のため


46 名前: マジシャン(三重県) :2007/03/16(金) 12:37:25.72 ID:52zM0H9f0
前世篇B


男「ごめんくださーい!!」

男は大雪の中蝋燭屋の戸を叩く

蝋燭屋「おや、男さん!こんな日にわざわざ・・・ささ、どうぞお上がりになってください」
男「いえ、今日はすぐに行かなくては・・妻に薬を買っていかなければいけませんし・・・」
蝋燭屋「奥さんの様子まだよくならないんですかい?」
男「ええ・・・」
蝋燭屋「・・・それじゃあ男さん、今度からここで住み込みで働いてみませんか?もちろん奥さんも一緒に。」
男「え?どういうことですか?」
蝋燭屋「いやーね、前々から考えていたんですが、男さん達職人さんに毎回毎回届けてもらうのも悪いですし・・知らないですか?あなたの作る蝋燭評判いいんですよ」
男「そうなんですか?」
蝋燭屋「ええ、そりゃもう!だからウチの専属の蝋燭屋ということで・・どうですか?」
男「・・はい!喜んで!あ、ではもう行かなければ・・」

男は蝋燭屋を後にした

47 名前: マジシャン(三重県) :2007/03/16(金) 12:38:26.86 ID:52zM0H9f0
前世篇C


男は上機嫌だった。自分の力が認められたこと、それ以上に女と一緒に都に住めるということに。
都なら医者も薬師も大勢いる、もし何かあったとき女をすぐ診てもらえるからだ。大雪と風もなぜか心地よくさえ感じた・・・


男「ただいま!!ほら薬!!」
女「・・うん・・ありがとう・・」
女は弱々しく答える
男「まだよくならないようですね・・・」
女「私もうダメかも・・・」
男「そんなこと言わないで下さい!今度都へ行きましょう!僕、蝋燭屋さんで住み込みで働くことになったんです!女さんも一緒に来ていいって!だから・・・ッ」
女「・・そっか・・おめでと・・私すごくうれしい・・でも、わかるの私もうダメだって・・」
男「そんな!」
女「貧乏ってつらいよね・・でも私幸せだった・・それでもあなたのそばにいられたから・・
    ホントはね・・さっきまですごくつらかったんだ・・男君がいなくて・・ずっと・・一人で・・」
男「!!」
男は後悔した。蝋燭屋に認められたぐらいでうかれたこと、そして女を一人にしていったことを・・
男「ご、ごめんよ僕は・・」
女「いいの・・男君のことはよくわかってる・・全部私のためなんだよね・・だから帰ってきたときすごく嬉しかったの・・
    最後に男君の顔が見れて・・」
男「そんな!最後だなんて!!」
男の目から涙があふれる
女「私ね・・生まれ変わっても男君と一緒にいたい・・」
男「・・・僕もだ・・・」
女「はは・・よかった・・ホントにもうダメみたい・・最後にね・・ぎゅーってして・・」
男「!!・・・・うん・・」

男は女を力いっぱい抱きしめる。それに応えるように女も弱々しくではあるが精一杯男を抱きしめた・

48 名前: マジシャン(三重県) :2007/03/16(金) 12:39:32.70 ID:52zM0H9f0
-完-


あとがき
僕は二人の幸せに疑問に思いました。こんなに幸せには絶対裏があると・・
だからといって二人が不幸になっていくのは我慢できませんでした。
だから過去を不幸にしてしまえば・・・と
馬鹿ですね。どうせならずっと幸せであればいいのに
正直僕も前世とはいえ二人を不幸にするのにはためらいがありました。
でも、僕は二人が幸せになって欲しいがゆえにこれを考え投稿しました。
というわけで>>1二人を不幸にしたら許さないからな!!

105 名前: 序二段(東日本) :2007/03/16(金) 23:38:58.70 ID:Q4JKMRlW0
なるほど、夜女1人目は>>1氏か。NO HEAVENが使われたからもしやと思ったが…

【新学期】
同級生A「寒いなぁ…冬ってのは苦手だね…っと。
〔ピンポーン〕…〔ピンポーン〕…(あれ?)
    あの野郎…人がこう迎えに来たというのに……」
〔ガチャ〕(…あ)
同級生B「…お?B、おはよう。どうしたこんな場所で?」
同級生A「……ッ!どうしたじゃない!一緒に行くって言っただろう!」
同級生B「あ…はは、俺が忘れるわけないだろ?冗談だよ、冗談。」
同級生A「どうだか…はぁ…」(すたすた)
同級生B「おーい、怒るなよー。待ってくれー…」

今日から3学期、俗に言う最終学期。
ひょんなことからつきあい始めた私たちはこうして一緒に登校することにした…のだが

同級生B「なぁ、A。もう怒るなよ…俺が悪かったってば…」
同級生A「うぅ…うるさい!(せっかく早起きまでしたのに…)」
同級生B「まぁまぁ…怒ると可愛い顔が台無しだぞ?ほら、饅頭食って落ち着けよ。」
同級生A「あ、朝っぱらからお前はそう言うことを…!…ありがとう///」
同級生B(今度からもこの方法で乗り切れるかなぁ…)「ほら、行こうぜ〜」

125 名前: 留学生(東日本) :2007/03/17(土) 03:49:29.13 ID:DeyYGEfa0
捕手しますよ

【真冬のダンス】
同級生B「ようやく昼休み…かっと。んー…A、メシ食いに行こうぜ〜」
同級生A「あぁ、そうだな。じゃあ…んー、屋上行かないか?」

(ガチャ)
同級生A「うわっ、寒っ!…ん、先客がいるな」
同級生B「んー、これは寒いなぁ…やっぱ中で食わないk…A?何見てるんだ?」

男   「ほら、今日のお弁当の卵焼きはおいしいですよ?はい、あーん…」
女   「///あーん…むぐむぐ…」
男   「どうです?今日はちょっと気合いを入れて作ってみたんですよ。」
女   「本当だ!おいしいね!男君は本当に料理が上手いよねぇ…私も頑張らないとなぁ」
男   「いいんですよ、僕の料理を女さんがおいしそうに食べてくれる。それが僕の幸せなんですから。」
女   「うー…でも、今度は一緒に作ろうね?」
男   「はは、そうですね。頑張りましょうか(なでなで)」

同級生B「うわぁ…あそこの区画だけ暖かそう…いや、暑そうだなぁ」
同級生A「…なぁ、B。も、もし誰かがああいう風に料理を作ったら…お前も食べたいか?」
同級生B「そうだなぁ、俺もいっつも代わり映えしないものしか食べてないからな…食べたいぞ?
     でも、それがどうかしたのか?」
同級生A「い、いや…なんでも…ない。(そうか…料理か…」

147 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 11:23:31.05 ID:1d9OUHQ40
【ぬくもりのようなもの】

女「ね、ね、今日うちに遊びに来てよ〜。いいでしょー?」
男「いいけど」
女「あ、一緒に来るー?」
友「え? いいの?」
男「こいつんち暖房がないからな。熱源は多いほうがいい」
友「Σ (;゚Д゚) 熱源かよ!?」
女(男にしがみつき)「熱源だよ〜。ぬくぬくだよ〜」
男(無表情に女を撫であやしながら)「今のゆとりはおしくら饅頭の原理も知らんのか」
友「いや、わたしら同い年なんだけど」

148 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 11:36:01.73 ID:1d9OUHQ40
【君と一緒のようなもの】

女「はー……うちは制服でよかったねぇ。私服校だと女の子は服装にうるさいから〜」
友「そういやあんたの私服って見たことないわ。貧乏暮らしの定番・学校ジャージ?」
女「ん〜? 服は普通にあるよ〜」
友「あるんなら私服でも困らないやん」
女「でもぜんぶ男物だから〜」
男「あ、俺のお古ね」
友「おまえら兄妹かッ!?」
男「俺んち下に兄弟いないし、雑巾にするなら下着やタオルで十分だし」
友「あんたはそれでなんとも思わんのか」
女「ん〜、思うよ〜。『一緒』のお洋服だな〜って。えへへへへ〜」
友「…………言っとくけどそれ、ペアルックちゃうし」





友「畜生ッ、お古なのに! ただのお古なのに、うらやましいいいいいいいいいいいいいッ」
弟「ねーちゃん、俺のお古でも着る? サイズは合うはずだよ?」
友「愚弟、死んでくれ(笑)」
弟「ねーちゃん、話飛びすぎ!!」

150 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 11:55:01.38 ID:1d9OUHQ40
【等価交換のようなもの】

女「はぁ〜――――シュークリーム分が不足してきたなあ」
友「ああそう。あいつにおごってもらえば? っつか、それすら買えんほど貧乏でもないだろ」
女「わたし、ケータイ持ってないでしょ〜」
友「あんたはともかくあの男まで持ってないってのは未だに不可思議だけど」
女「本来ならわたしとの間でかかるケータイ料金の分だけ、ちゃんと考えておねだりしてるんだよ〜」
友「ああ、なるほど…………いや、ちょっと待って……え、これは……」
女「しゅーくりーむ〜! しゅーくりーむ〜ぅ!」
友「待て、甘えかかってくるな! いまおまえの理屈に反論する理論考えてるから離れろ!!」

151 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 12:15:24.60 ID:1d9OUHQ40
【デートのようなもの】

女「ふふ〜♪」
友「なんかいいことでもあったのか? (――いや、でもこいつはいつも幸せそうだしわからんな)」
女「教えてあげよっかぁ〜?」
友「のろけ話ならいらん」
女「今日は放課後、デートなのですよ〜」
友「人の話は聞けや貧乏人――――デート代あんの?」
女「ないよ〜」
友「ああ、そうだろうね――――――――待て。わたしにたかる気じゃないだろうな?」
女「失礼だな君は〜。甘えることとたかることの区別ぐらい、一流の貧乏人はちゃんとつけてるの〜」
友「嬉しいか? 貧乏が一流でホントに嬉しいのか?」
女「今日街に行くんだ〜」
友「たかる気満々じゃねぇか」
女「寒い街中も、二人一緒ならあったかいし、ティッシュも倍たまるよ〜」
友「節子、それデートちゃう……ただのなんとも形容しがたい行動や……」
男「おまえも一緒で三倍だな」(ぽん)
友「やめろッ! 人を巻き込むんじゃあない!」

152 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 12:36:24.78 ID:1d9OUHQ40
【抱っこのようなもの】

昼休み・中庭〜

女「だっこ〜♪」
男「……」
女「よい――――しょっと。えへへへへ」
男「ああ、悪い。そこに俺のコート、こいつの上からかけてくれんか?」
友「……ほれ」
女「ありがと−」
友「あんたさ。よく真顔でいられるよね、女の子に乗っかられて」
女「えー? わたしは幸せでにこにこしっぱなしだよ〜」
友「おまえには訊いてない」
男「こいつは抱っこしてもすりすりされても化粧がつかんからな。金がないから化粧してないし」
友「…………そーゆー問題なの?」



友「姉弟のスキンシップ」
弟「うわッくせッ! ねーちゃん、化粧くせッ! すり寄んな!! 去れ! サタンよ退け!!」
友「……」

154 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 13:06:29.63 ID:1d9OUHQ40
【宝物のようなもの】

下校中〜

男「じゃ、また明日」
友「んー。ばいばーい」
女「ねぇ、ばいばいのちゅーして〜」
友「少しは存在つつしめよおまえ」
男「…………」

   ちゅっ

女「んふふ〜。ちゅーしてもらった〜」
男「じゃーな ノシ」
友「なんであんたはそう冷静なんだ……見てるこっちが恥ずかしいってのに」
女「恥ずかしくなんかないよー? だって大好きだsh――」
友「おまえには訊いてない」
男「貧乏生活最大の敵は病気、最強の味方は健康。こいつ、口の中は清潔だから心配ない」
友「ああ、そういや虫歯ないよな、こいつ」



女「ん〜? どーしたの〜?」
友「いや、なんかおかしいけど、なにがどうおかしいのか具体的にいえないこのもどかしさ……」

155 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 13:30:18.54 ID:1d9OUHQ40
【プレゼントのようなもの】

女「クリスマスだねー」
男「ああ」
女「クリスマスプレゼントあげたいけど、年末はいろいろお金がいるからあげられない……」
男「そうか。じゃあかわりに日足を貰っておこう」
女「ひあし?」
男「冬至を過ぎたから、これからは明るい時間が長くなる」
女「でもまだまだ寒いよ〜?」
男「寒いけど明るいから、その分ずっと一緒にいられる時間も増えるわけだ」
女「あ〜……そうだね――そうだねぇ――――」
男「ほかによけいなプレゼントなんかいらん」
女「……」

   ぽふっ     すりすり

男「……」(なでなで)
女「♪〜」





友「うおおおおおお! 鎮まれ! わたしの中のギップルたちよ、甘々の臭さに耐え、鎮まるのだ!!」
弟「どーしたねーちゃん? 腐女子から邪気眼に転向かー?」

156 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 13:52:44.64 ID:1d9OUHQ40
【お泊りのようなもの】

女「というわけでお泊りしてきちゃった〜」
友「ぶへらッ!!」(←コーヒー噴いた)
女「あー。もったいないなあ……
  スーパーなら1リットルパック100円なのに自販機で250ミリリットル100円で買っちゃったから
  通常の4倍もったいない……」
友「とととと泊まった!? 泊まったということは!」
女「一緒に寝ちゃった〜」
友「やりやがったコンチクショウッ! 貧乏人め絶滅しやがれッ!!!」
女「なに興奮してるのかわかんないけど、お話してもらっただけだよ。物知りさんだから〜」
友「――――それだけ?」
女「うん」
友「それだけかよッ!?」
女「声聞きながらねー、あったかくってねー、うとうとしてねー、なんかふわふわな感じでねー」
友「黙れ」




男「クリスマス=セックスって、おまえはどんだけ頭が厨二仕様なんだ? 
  妊娠にしろ避妊にしろそんな金あいつに負担できっこないし、俺だっていやだ」
女「ああ、そうだね……貧乏人の貧乏の理由の上位常連は無計画な子作りだもんね……
  あんたいい彼氏だよ……」

157 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 14:11:25.41 ID:1d9OUHQ40
【買い物のようなもの】

女「あ、やっほー」
友「ん? ああ」
男「……」
女「お買い物〜?」
友「まあね。あんたらも? 」
男「広い駐輪場すみで積み重なってる自転車、あるだろ」
友「あー。部品とか抜かれててもう明らかに誰も取りに来ない放置自転車」
男「ちょっとこいつの自転車の部品を調達に」
友「待て」
男「どうせあとは撤去されるだけだ。有効利用してやったほうがいいだろ」
女「じゃあね〜」
友「じゃあねじゃねえよ! デートみたいに嬉しそうに腕組んでくんじゃねーよ、ったく……」



友「っつか、惨めなデートはあっち、楽しいわたしへのごほうびはこっちのはずなのに、
  なぜ負け犬感がこうもどっしりとわが双肩にのしかかるッ!?」
弟「ねーちゃん、荷物持ちのお礼、覚えてる?」
友「…………だれ、君?」
弟「Σ (;゚Д゚) つむじの向きが逆回転するほどにショ――――ック!!」

159 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 14:34:26.82 ID:1d9OUHQ40
【ノートのようなもの】

友「いらんチラシやプリントの裏……なんという定番貧乏ノート」
女「うちは新聞とってないから〜。みんな貰いもの〜」
友「またおまえか!」
男「うちは公団団地だから。何十棟もあるから、全部回って集合ポスト脇のゴミ箱見るだけで
  裏の空いたチラシがごっそりと――」
友「拾うなよ、ごっそりとなんか」
男「なんか使えそうだし」
友「もったいないお化けが怖いのはいいけど、いくらなんでも余らんか? 授業のノートだけなら」
女「お絵かきしてるよ〜」
友「……ああそう」
女「空想とお絵かきはタダだしね〜」
男「鉛筆なんざ学校掃除してりゃいくらでも落ちてるしな。シャーペンの時代なのに不思議と」
女「一緒にね、気に入ったものとか、将来の夢とか、いっぱいいっぱい描くんだ〜」
友「はいはい、仲のいい趣味ですな」




弟「ねーちゃんが……ねーちゃんが涙で鼠を描いてるッ。なにがあったの!? 
  そんなことしてて今度のイベントの原稿間に合うんか? 早くしこしこ描かんと――」
友「うるへー! 今はそんな気分じゃねーんだよ!!」

160 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 14:51:31.24 ID:1d9OUHQ40
【家庭菜園のようなもの】

男「ほれ。ねぎの根っこ」
女「いつもありがと〜」
男「うちは普通に買うからな」
友「んあ、もう植える場所ないじゃん」
男「あー。じゃあスーパーかどっかで発泡スチロールの箱貰ってこよう」
友「土は?」
男「川砂利と、あと土は山でちょっと失敬すりゃいいか」
女「……」

   ぎゅっ……

男「……」
友「……え? なに?」
女「二人とも……わたしは何かお礼できるわけでもないのに、
  わたしが一方的に好意に甘えてるだけなのに、なんでこんなにしてくれるの?」
友「いや、まあ、腐れ縁だしさ……」
男「ん? こういう生活の知恵みたいなのって、楽しいだろ? しかも金はかからないし」
女「……」
男「……」
女「……」
友(う…………この男、本気で言ってんのかツンデレで言ってんのか、無表情だからわからん……)
女「…………」 (にこっ) 「よし、じゃあスーパーに箱貰いにいくついでに、お買い物だ〜」
友「こら、離せ! 腕組むならそいつとだけ組んでろ!! 恥ずいッ!!」

161 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 15:05:58.41 ID:1d9OUHQ40
【バレンタインのようなもの】

女「普通の板チョコなら買えるんだけどねー。さすがになんだしねー」
友「いや……気持ちだけでいいんじゃないかな……うん……」
女「気持ちかあ〜。うう〜。ちゅーとか抱っことかはいっつもやってるし〜」
友「こーなったら体しかないんじゃないのー?」
女「体か〜」
友「……本気にすんなよ」
女「貰ったねぎがいっぱい育ってるから、刻んで乾燥させよう〜」
友「お味噌汁や煮物なんかのちょっとしたお供に重宝ですな」



女「バレンタインは本来恋人『たち』の日――ってことで、太ねぎの根っこ貰っちゃった〜」
友「いや、あんたらがそれでしあわせなら別にいいけどさ……」

162 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 15:12:31.52 ID:1d9OUHQ40
【下見のようなもの】

友「クソッ! このクソ犬、何回クソすりゃ気が済むんだよッ!?
  っつか犬の直腸と膀胱ってどんだけ詰まってんだよ!?」
弟「じゃんけん負けたのねーちゃんなんだから、今日のクソ取りはねーちゃんだよ?」
友「むなしい……この寒空の下、なぜデートじゃなく小生意気なガキと畜生と一緒なんだ?」
弟「うちで犬飼ってるからだろ――――いてッ! ぶったね!? いつもぶたれてるけど!」

女「あ〜。わんちゃんだ〜」
男「……」
友「出やがったな目の毒。こんなクソ寒い川べりでなにやっとんだ?」
女「デートだよ〜。川沿いにねー、一緒に行けるとこまで行ってみるの〜」
友「それ、デートって言っていいの?」
男「近所だけどじっくり歩いてみたことないからな。
  運がよけりゃあまり知られてないような桜か何か、ぽこんと生えてるかも知れん」
女「そしたらねー。桜が咲いたら二人で見に行ってねー、膝枕してもらってひなたぼっこするんだ〜」
男「その辺の花見るだけなら入場料もいらんしな」
友「あーはいはい、そうですかそうですか。海まで逝ってそのまま心中して来い」
弟「ねーちゃーん! またクソしたよー!」
友「うるせぇ!!」

163 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 15:26:35.38 ID:1d9OUHQ40
【贈り物のようなもの】

友「そういやあんた、いちおうバレンタインになんかあいつにくれてやってたじゃん?」
女「え? うん」
友「ホワイトデー、なんか貰った?」
女「新しいパジャマ貰った〜」
友「いや、あんたにとっちゃ新しくても、専門用語ではただのお古だし」
女「お古とか以外貰ったことないよ〜」
友「新品ないの?」
女「うん〜。一度もないね〜」
友「そういやあいつ、けっこうケチ臭いよなあ。あんたが圧倒的に貧乏なのは知ってるくせに」
女「いいんだよ〜。一番悲しいのはお金とか物がないことじゃなく、心がすさむことだから〜。
  お財布があったかいものももちろんあったほうがいいけど、
  心があったかいものをもっといっぱいくれるからいいんだよ〜」
友(あの無表情でなに考えてるかわからん奴がか?)
女「……」

   ぎゅっ

友「な、なに?」
女「あったかい、をくれる人が一人だけじゃないからね〜。大変だけど、しあわせだよ〜」
友「ああ、そう…………(コンチクショウッ! この甘々め!!!)」

164 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 15:41:45.65 ID:1d9OUHQ40
【サバイバルのようなもの】

川原〜

女「これは〜?」
男「食える。でも不味い」
女「ん〜とぉ、じゃあこれ〜」
男「酸味が好きならおk」


友「今北産業」
男「食べられる
  雑草を
  求めて」
友「……そんなに金を使いたくないかおまえ」
女「山菜に詳しいんだよ〜。何でも知ってるんだ〜。えらいぞえらいぞ〜」(男の頭をなでなで)
友「おまえ……こいつのためにそこまで……」
男「元々田舎の育ちだから、ある程度は詳しいだけだ」
女「今日採った山菜でおべんと作って今度は海にお出かけして、
  お魚釣っておべんとにしてまたお出かけして〜。ずっとデートが続くんだ〜」
友「なんか自転車操業なデートだね。いや、それで楽しいんならいいけどさ」

165 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 15:54:36.33 ID:1d9OUHQ40
【便利なようなもの】

友「いまどきケータイがないってのはきっついよねー」
男「そうか?」
友「あいつにケータイをプレゼント……する気はないんだろうねー」
女「電話代自体払えないしねー」
友「うわッ!? いやがった!」
女「0と1でお話しするより、図書館のお座りコーナーでもたれあって本読んでるほうが
  お金もかからないし頭もよくなるし、なによりほかほかだよ〜」
男「そのまま寝るのはどうかと思うがな」
女「えー? だって気持ちいいんだもん〜」
友「まさか……そのまま抱っこしてお持ち帰りしてんのか!?」
男「持って帰ってどうする。お届けだよ」
友「うおおおおおおお!! ガッデムが脳内宇宙でグランドクロ――――ス!!!」
男「大丈夫か?」
友「貴様、甘やかすにもほどがあるぞ! こいつの足が退化したらどうする気だ!」
男「いや、栄養が悪いせいかたいした重さじゃないし、こいつ」
友「そこで重さの問題と言い切る貴様に全人代が激しくシィ――――――――ット!!」




弟「ねーちゃん、バイト代をケータイ代に使ってんのか、
  ケータイ代のためにバイトしてんのかもうわけわかんなくなってね?」
友「うるせー! てめーも高校にあがってバイトし放題になったら同じ運命なんだよバーカ!!!」
弟「いや、それはない」

166 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 16:05:30.80 ID:1d9OUHQ40
【腐葉土のようなもの】


友「ういーす」
男「……」
友「あれ、今日は一人?」
男「別に四六時中一緒にいるわけじゃねぇよ」
友「どっか行くの?」
男「山」
友「なに? あいつのために猪でも狩りに行くわけ?」
男「山の落ち葉とかで腐葉土を作ってみてる。うまくいってるかどうか見に」
友「ふようど――――」
男「何だ?」
友「その腐葉土って、あいつんちのために?」
男「当たり前だろ」
友「ホームセンターでおっきな一袋数百円足らずで売ってるよね、腐葉土」
男「は? なんで俺があいつのために金なんか使わにゃならんわけ? やだよ、死んでも」
友「……いや……いい……」
男「? 変な奴だな……じゃーな」
友「……」



友(わからん……あいつだけはホントにわからん……)

167 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 16:13:10.87 ID:1d9OUHQ40
【お茶のようなもの】

女「お茶を自作してみたよ〜」

友「あんたみてると銭金思い出すから困る」

女「おなかがすいたときお茶でごまかすにしても、
  水っぽいお茶じゃなく味にそれなりの『重さ』がほしいわけで、いろんな野草をブレンドしてみた〜」

男「で、完成したのが33種の雑草を混ぜて作った観音茶(仮)」

女「おいしいね〜」(まったり、べったり)

男「もう少し甘みがあってもいいな……」

友「これ以上甘くしてんじゃねーよ」




友「よし、今日はおねえちゃんと一緒に晩御飯つくろっか?」

弟「あ、さっき彼女と一緒に食ってきたから今晩はメシいら――なに? 何で人の口に
  執拗に手を突っ込もうとしてくるの? 今度は何のまね――あqwせdrftgyふじk」

168 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 16:28:48.00 ID:1d9OUHQ40
【若菜摘みのようなもの】

女「おー! 一面のつくし一面のつくし一面のつくし〜♪」
友「よく見つけたなあこんなとこ」
男「去年つくしが終わってからチャリで山まわって、すぎなの群生地を探しといた」
友「……探す分にはタダだしな」
男「あいつのために金をかけるなんてとんでもない」
友「あんたってさ、すごいのかアホなのかわからんわ」
女「……あ」
弟「うわ、あんだけ晴れてたのに雪降ってきやがった。傘持ってきてねぇよ」
男「……」

  ふぁさ……

女「んあ〜?」
男「季節の変わり目の風邪は金喰うぞ。特におまえは栄養不足気味なんだから」
女「え? でも〜」
男「俺は元から栄養豊富な生活送ってるから、体力だけで春風邪ぐらい治せる。
   金はかからん。ほら、もっとくっつけ」
女「うん――――」



友「こ……コートですっぽり包み込み密着だとォ!?」
弟「ねーちゃん、弟さまが寒い! あっちみたいにコートでおほけなく覆って! むしろよこせ!」
友「ギギギギギ……」
弟「と、融けてる! ねーちゃんの周りだけ、雪が!」

169 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 16:41:16.78 ID:1d9OUHQ40
【おかずのようなもの】

学校裏庭の樹下〜

女「…………モグモグ」
友「…………モグモグ」
男「…………モグモグ」
友「……シュウマイ、一ついる?」
女「ん〜ありがと〜」
男「…………モグモグ」
友「…………」
男「ん? 俺はやらんぞ? 育ち盛りな俺の貴重な養分を人にくれてやる義理なんざねぇし」
友「いや……いいけど……さ……」
女「いいんだよ〜。紫蘇とかパセリとかねぎとか、もう貰ってるから〜」
友「ああ、そう……(そういや紫蘇ごはんだ……)」
女「心配してくれなくてもいいんだよー? 朝ごはんの分を少し無理やり詰めただけだけど、
  おかずは一応あるから〜」
友「ああ、うん……」
女「ふぅ〜、ごちそうさま〜おやすみ〜」(ごろん)
男「…………モグモグ」
友「寝るのはやッ!」
男「バイトで疲れてるからな。俺は俺で食ったら本でも読んでるから別に邪魔にはならん」
友「あんたらは仲がいいのかなんなのかようわからんなあ……」

170 名前: イタコ(京都府) :2007/03/17(土) 16:58:37.01 ID:1d9OUHQ40
【永遠のようなもの】

友「ねえ、今度あんたの誕生日じゃん? なんか欲しいもんある?」
女「タッパーもっと欲しいなあ〜。便利だよ〜。いつも念のため持ってるよ〜」
友「いや、もっとこう、あんた個人の欲望に直結したもんでいいよ?」
女「ううん。いいんだよ〜。わたしみたいな、何にもない貧乏人なんかとお友達でいてくれてるだけで、
  個人的なのはもういっぱいいっぱいだから〜」
友(う……いかんっ、生活暗いくせに笑顔だけはかわいすぎるッ)「え、遠慮すんなっての!」
女「じゃあね、『ずっと一緒』を頂戴〜」
友「!」

   脱兎!

女「……え? どうしたの〜?」
友「ちょっと待ってろおおぉぉぉぉぉぉ――――」



男「ん? なに?」
友「いいから! あいつんとこ行ってこい! でもってあいつが欲しがってる誕生日プレゼント、
  たぶん金かからんから気前よくくれてやって来いこん畜生ッ!」
男「なんなんだいったい……」



そろそろ奴も目覚める頃だろうし、好きなだけ遊んだからこれで終わりと

267 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 03:34:57.60 ID:GknL9AdM0
男「ん?袖なんて引っ張って、どうしましたか?」
女「………」
男「…抱っこですか?」
女「………(こくり)」
男「はいはい」
女「………」
男「はぁ…しかし、まだまだ寒いですねぇ」
女「………」
男「まあ、僕は君をおんぶしてるから暖かいですけど」
女「………」


男「ほら、もうすぐ着きますよ」
女「………」
男「どうしました?」
女「………」
男「?………」
女「………」
男「もうちょっと、こうしてますか…」
女「………うん…」
女「………」
男「どうしました?」
女「………」
男「うまい棒ですか…懐かしいですねぇ」
女「………」
男「……もしかして、うまい棒の味を悩んでるんですか?」
女「………(こくり)」
男「……すみません、全部下さい」
女「?………」
男「はい、これなら迷いませんよ? 早く食べましょう」
女「……………………………………………ありがとう…」
男「いえいえ、お礼を言われるほどのことはしてませんよ」
女「……いっぱいだから…夕飯にする」
男「………今度、新しく出来た喫茶店おごります」
女「………?…」
男「やはり、出来たばかりとあって綺麗ですねぇ」
女「………」
男「はい、メニューです、何がいいですか? 遠慮しないで下さいね」
女「………(くいくい)」
男「え? 飲み物だけですか?」
女「………」
男「これ美味しいですよ、食べます?」
女「………」
男「…もしかして、僕なにかしました? 退屈ですか?」
女「………」
男「無理しなくていいですよ。誘ったのは僕ですし…」
女「………(ちょんちょん)」
男「? どうしました?」
女「………っちゅ」
男「っ!!!!?」
女「……無理は…してないよ」
男「///は、はい、食べましょうか///」

271 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 03:41:34.93 ID:GknL9AdM0
男「はい、お弁当持ってきましたよ」
女「………」
男「いつも、パンでしょう? それじゃあ、身体に毒です」
女「………」
男「ほら、遠慮しないでください、僕の勝手でやってることですから」
女「………」
男「一緒に屋上で食べましょうか」
女「………(こくり)」


男「どうです?美味しいですか?」
女「………」
男「あっ、こぼしましたよ。はい布巾です………ブルッ……屋上は失敗でしたね。風がちょっと寒いです」
女「………(くいくい)」
男「?」
女「…………はぐはぐ」
男「はい///」
女「………///」
男「こうしているとやっぱり暖かいですね」
女「………」
男「でも、こうしているとお弁当が食べにくいです」
女「………(じー)」
男「ん?今度はジッと見つめてなんですか? 」
女「………」
男「?……あっ…はい、あ〜ん」
女「ん………(もぐもぐ)」
男「ふふっ、可愛いですね」
女「………///」
男「あ、ちょっと、思いっきり抱き締めないで!きついです、きついですよ!!」
男「おいしいですか?」
女「……うん…」
男「ふふっそんなに女さんが喜んでくれるなら、毎日作りますよ」
女「………」
男「…迷惑ですか?」
女「………」
男「………」
女「……あ〜ん…」
男「!? あ〜ん」
女「……こんなに美味しいのに…嫌なわけない……」
男「///あ、明日から毎日作りますね!」
女「………」
男「えへへ〜 ?どうしました?」
女「………っちゅ」
男「!!?!?!!?」
女「……ご飯粒付いてた…」
男「///あ、ありがとうございます///」

長文師にこの形式は結構辛い事がよくわかった

274 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 03:55:39.74 ID:GknL9AdM0
>>273
だが、ここで書き溜め終わり
ぶっちゃけ、小説形式の方が無口は(つか、俺が)書きやすい
>>1戻ってきたし、また保守の時に書く

最後に脊髄反射で書いたものを


男「好きです!」
女「………」
男「大好きです!!」
女「………」
男「世界で一番愛していますっ!!」
女「………」
男「一万年と二千年前から愛してます!」
女「………(ちょんちょん)」
男「?」
女「………もっかい」
男「///」

277 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 04:29:07.36 ID:GknL9AdM0
では、御言葉に甘えて

男「あ、雨ですね…」
女「………」
男「傘持ってきましたか?」
女「………(こくこく)」
男「じゃあ、僕忘れてしまったので一緒に帰ってくれますか?」
女「………」
男「あっちょっとどこ行くんですか? ………しつこいから嫌われたかな?」
女「………」
男「あ……どうしまs…え?」
女「………(くいくい)」
男「…はい、一緒に帰りましょう」
女「……///」


男「……本当は忘れてないんだよなぁ」
女「………」
男「あっ、ばれちゃった…すみません、一緒に帰りたいからつい…」
女「……むぅ…」
男「すみまsうわ!ちょっと……おんぶですか?」
女「………」
男「はいはい、許してくれるならなんでもしますよ」
女「………(ぎゅっ)」
男「ふふふっ」

278 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 04:46:07.53 ID:GknL9AdM0
男「随分、消しゴムを大切に使ってるんですね」
女「………」
男「物を大切にすることはいいことです。僕も見習わないと」
女「………」
男「でも、絵を描く時は綺麗な消しゴムで消さないと後が残っちゃいますよね」
女「!………(ッビク)」
男「ふふっはいどうぞ」
女「……タダで貰ってばかりじゃ、ダメ…」
男「ん〜じゃあ、絵が出来上がったら僕に見せてください。それが目当てと言うことでどうですか?」
女「………」
男「………」
女「……わかった…」
男「ふふっ約束ですよ?」
女「………(こくり)」
男「楽しみに待ってます」
女「……待たせるのは悪いから…」
男「?」
女「………はぐはぐで我慢して…」
男「///はい///」

279 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 05:08:10.04 ID:GknL9AdM0
男「そうだ」
女「…?……」
男「今度、お花見行きましょう。大丈夫です、僕がお弁当を用意しますから」
女「………」
男「……ダメ…ですか?」
女「……(こくこく)…」
男「………」
女「……私がお弁当作るからダメ…」
男「! でも」
女「ダメ?………」
男「……よろしくお願いします」
女「………」
男「あっ今笑いましたね。笑いましたよね?」
女「…///……(すたすた)」
男「あっちょっとどこに行くんですか?」
女「………」
男「…今日のお弁当、女さんの好きな甘い玉子焼きですよ」
女「………(すたすた)」
男「(戻ってきた)ふふっまた、屋上で食べますか」
女「///〜〜〜〜!///」
男「ふふっ可愛いですねぇ…はぐはぐしたいです」
女「……しよ…///」
男「はい」

はぐはぐ

281 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 05:23:18.29 ID:GknL9AdM0
男「うわぁ…美味しそうですねぇ。いただきます」
女「………」
男「うんっ美味しいっ」
女「……華がなくて……ごめん…」
男「何を言ってるんですか? 美味しすぎてちょっと卑怯だと思うくらいです」
女「///〜〜〜///………あ〜ん」
男「あ〜ん」
女「……?…」
男「頬っぺたが落ちたら女さんのせいです」
女「………」
男「…美味しいですよ? ほら、女さんも…」
女「……あ〜ん…して…」
男「///あ〜ん」
女「……ぱく…」
男「ね? おいしいでしょう?」
女「……もう、お弁当は作らない…」
男「え?」
女「……アナタのお弁当を食べてる方が…幸せ」
男「/////」
女「………はぐはぐ」


はぐはぐ

283 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 05:33:57.82 ID:GknL9AdM0
男「?なにやってるんですか?」
女「………(カリカリ」
男「絵を描いてるのですか…確かに、綺麗な桜です」
女「………(ケシケシ」
男「あれ? この消しゴム、他の消しゴム買ったんですね」
女「………(こくん」
男「やっぱり、迷惑でしたか?」
女「………」
男「………」
女「……大切に…してる」
男「……???…」
女「……アナタにもらった…使えない」
男「あっ//////」
女「………」
男「……あ、…花びらが髪にかかってますよ?ほら」
女「………」
男「…ふぁあぁ」
女「………」
男「………」
女「……ふぁぁ…」
男「いい天気ですねぇ…」
女「………(カリカリ」

288 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 05:48:36.76 ID:GknL9AdM0
女「……あちっ…」
男「火傷しました? だから揚げ物は気を付けてとアレほど…」
女「………」
男「ほら、指貸してください」
女「………」
男「…ぺろっ」
女「!!!!!!」
男「ふふっ本当は冷やした方が良いんですけどね」
女「//////」


女「…はふはふ……」
男「あっ熱いからいきなり食べるとした火傷しますよ」
女「………」
男「?どうしました?」
女「……ひひゃ、ひゃけふぉした…」
男「いわんこっちゃない、氷よう(くいくい)へ?」
女「……舐めて…」
男「な!?」
女「//////」

324 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 15:09:57.95 ID:GknL9AdM0
………」
「どうかしましたか?」

 桜吹雪の舞う昼下がり、明るく暖かな日差しを受けながらの帰り道。隣を共に歩く彼女が僅かに首を傾げる。
 それは無口な彼女にとって、最大限の意思表示であり、数少ない問題提起だ。

「………」

 虚空を見つめる彼女の視線を追えば、その先黄色い蝶が二匹、誘うように踊っていた。

「綺麗ですね…もう、春なんですね」
「………」

 桜と暖かさ以外の足音を聞いた気がして、ちょっとだけ胸が暖かい気持ちになれる。それが、とても心地よかった。
 二人でしばらく蝶を眺めていると、彼女がふと立ち止まった。それを待ち望んだように、その頭へと二匹が舞い降りて翅を休める。
 彼女は、少し和んだように頬を緩め、じっと動かず艶やかな髪を提供する。

「ふふっ随分珍しい、素敵な髪飾りですね」
「………」

 やがて、蝶が飛び立つまでを見届け、僕達は足取りも軽く、桜並み木を並んで歩いた。

 傍から見れば、仲睦まじい恋仲に見えているのだろうか? そう思うと、胸がこそばゆいような、ぽわぽわと温かいような不思議な気分になれた。

「? 今度はなんですか?」
「………」

 また足を止め、袖をくいくいと引く彼女を見返せば、何か言いたげな瞳で僕をじっと見つめ、やがて柔らかく淡い色の唇が簡潔な言葉を紡ぐ。

「……抱っこ…」
「はい、わかりましたっ」

 蝶の夫婦に当てられたのか、うるうると揺れる瞳で僕を見上げる彼女が、とてもとても愛おしくて僕は両の腕を広げる。すると、その首下を彼女の腕が絡むようにしがみついた。
 ほんのりと頬が紅く染まっているのが見えて、愛おしさが爆発しそうだった。

「ふふっ、では行きましょう」

 風が桜を運び、可憐な色に染まって僕達を包んで砕け散る。
 けれど、僕の瞳には桜の美しさに負けないくらい胸に抱く彼女が可愛く可憐に写った。
 自然と目が遭い、僕達はゆっくりと唇を合わせた。




自分が書きやすい様に書いた
貧乏と糖分が足りないなぁ

326 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 15:16:47.04 ID:GknL9AdM0
【貧乏追加】

男「その袋なんですか?」
女「………」
男「あー、うまい棒ですか。いっぱい買って、好きなんですね」
女「………」
男「へー、今はテリヤキバーガーなんてあるんですね」
女「………」
男「でも、こんなにいっぱいどうするんですか?」
女「……昼食…」
男「………」
女「……安いよ…」
男「…よく足りますね……」
女「………」

327 名前: すっとこどっこい(埼玉県) :2007/03/18(日) 15:17:27.42 ID:GknL9AdM0
【糖分補給】

男「………」
女「………」
男「………」
女「………(ちょんちょん)男…」
男「なんです?」
女「……なんでもない…」
男「はい」
女「………」
男「………」
女「………」
男「………」
女「……名前を呼べるって…いい」
男「……そうですね…」
女「………♪」

349 名前: 乳母(コネチカット州) :2007/03/18(日) 19:13:02.37 ID:m2I+BLB0O
ありがとう元1
蛇足気味だけど投下します


『老人』


………今日、面白い二人が店に来ましてね……まるで長年連れ添った夫婦のような……その少年が、連れの女の子と店を手伝いたい、と言ってくれたのですよ

この老骨が居るだけのあの店を……良いと言ってくれましたよ……


連れの女の子が……ふふ……君に似ていましてね…出会った頃の、ね……


あいつは継いではくれませんでしたが…それで良かったのかもしれません

彼ら……店には初めて来たはずなんですが……あの子たちなら、あの店を誰よりも……あいつよりも、わかってくれるんじゃないか、…そんな気がしたんです……

……なんだか嬉しくなってしまいましてね……ふふ…、つい、君が好きだった銘柄の焼酎とお饅頭、買ってきてしまいました………君にも一緒に喜んでほしくって……

ふふふ…すぐ嬉しくなるなんて、年甲斐もありませんね……


…日曜日から、少し楽しくなりそうです


「さて……仕込みでもして、寝ましょうかね…」